120年前の精神障害者に対する扱いがひどすぎる
「私宅監置」という言葉を知っていますか?
私宅監置(したくかんち)は1900年に日本で施行された精神病者監護法で認められた行いです。
内容は届け出を出すことで合法的に精神障害者を自宅の一室や物置小屋などに入れて監禁出来てしまう人権を無視したひどい法律でした。
中には壁にわずかな穴、食事を出し入れする口、排泄物を流す溝だけのコンクリートで作られた小屋に閉じ込められていた人もいたとのことです。
今でこそうつ病などの精神障害は一般的に認知され病気として対応してくれるようになりましたがこの時代は祟りのような扱いをされたり病気と考えている人は少なかったようです。
この時代は精神科や精神科医も少なく選択肢が少なかったとはいえこのようなことがまかり通っていた時代があったのです。
このような措置は江戸時代に罪人が入れられる座敷牢からきているとも言われているそうです。
この悪しき法律がなくなったのは1950年になってからです。
精神科医の呉秀三(くれしゅうぞう)が批判したことなどもあり1950年に精神衛生法が制定されて私宅監置は禁止となりました。
50年ものあいだ人権を無視した監禁が合法で行われていたと思うとゾッとしますね。
しかし、精神衛生法が作られたあとは私宅監置はなくなり治療も受けられるようになりましたが、社会復帰や自宅に帰ることもなく精神病院で残りの人生を過ごす社会的入院が続く人も多かったようです。
精神科医の呉秀三は「日本の精神障害は二重の苦しみがある。精神病になった苦しみの他に、日本に生まれたことの苦しみだ」という言葉を残しているように日本の対応は他の国に比べても悪かったことがわかります。
例えばイタリアでは民間の精神病院にはベッドを置けないという法律があり、長期入院させる精神病院はなく、長くても1,2日の入院くらいでひどい症状が収まったらまた家で過ごすことが基本になっています。
しかし日本では長期入院することも珍しくありません。
それは患者を入院させ続けることが利益に繋がるビジネスとなっているためです。
日本も日常生活に戻れることを目指した治療をしていってほしいですね。
私とかは鬱なときは自分を責めてばかりいるのですが、他の国ではそういう人は日本よりもずっと少ないそうです。
そういった背景にはこのような日本の歴史や周囲の目を気にする日本人の性質などが関わってくるのかなと思いました。
私は今の時代に生きれててある意味良かったのかもしれません。たぶん、、、